From Chuhei
昭和61年発行の天皇陛下御在位60年記念10万円金貨です。
グラフは2005年10月から2010年10月までの金価格グラフです。
一番上の枠が純金1グラム当たり、3,750円です。
純金、魔女の誘惑
金の価格が10月に史上最高値を更新していると聞いて、10万円金貨を持っていたことを思い出した。探してみると棚の奥
から昭和61年発行の天皇陛下御在位60年記念金貨が3枚出てきた。
早速インターネットで、価格を調べてみた。ところが、この金貨は1千万枚も発行され、金の含有量は20%と少なく偽造問題
なども発生していて人気がない。専門店の売値では10万1千円位の所もあるが、買値は付かない。
「持っていたくなければ、銀行で引き換えなさい」売りに行ってもこのように、言われるのが分かっている。
しかし、昭和61年に金貨ではなく純金を買っていれば、平成22年10月では3倍以上になっている。さらに純金価格は平成
11年に底を打っているので、その時から比べると10倍にもなっている。…こんな値も上がらず、使い勝手の悪い金貨など持
っているより、たとえ百グラムでも純金を買って眺めている方がよほど夢のあることだ。
しかし、今から純金など買っても大丈夫なのか?
最終的に金は上がり続けるという人がいる。多くの金融経済本を出し、幅広いジャンルでの鋭い論評を展開している福島隆彦さんだ。
難しいことは抜きにして、私なりにその内容を短くまとめてみると、
「アメリカのドルは暴落して、紙切れになっていく。世界はもう金融危機に突入している。
お札、株券、証券、国債、などはやがて紙屑になる。こんなペーパーマネーから実物経済へ移る。その中でも金地金こそが最強の実物資
産なのだ」ということである。そして、これから金は一時的に下がるかもしれないが、最終的には上がり続け終に、一般庶民には買うことが
出来なくなる」という。
確かに、今のドルやユーロ、そして投機の対象になって上がる円などの現状を考えると、そうかもしれないと私は思った。
ところが、今度は『金は暴落する』という本が出た。作者はノンフィクション作家の鬼塚英昭さん。今回の金価格の急騰を予見し、サブプ
ライム恐慌の本質を見破ったといわれている人である。その内容も私の理解の範囲でまとめてみると、
「金の上昇はバブルであり、2011年、遅くとも2012年に崩壊する。 世界の金を動かしているのは、ロスチャイルドとその金融エリート集
団であり、金価格を上げ、下げする力を持つ、ある時期までは金価格を上げるが、その後暴落させて最終的に落ち込んだ金鉱山を完全に
支配下に置いて世界の金融経済を動かそうとしている。
ETFと呼ばれる金の投資信託が上場され株式と同じように取引されているが、受入れた出資額と同額の純金が必ず確保されているか疑
問であり、これでバブルをあおっている。
中国人民元はアジアにおける基軸通貨になるだろう。その裏づけとして、金の保有を考えている。金のバブルが破たんすれば、中国は世
界中の金を買い漁り、その保有で人民元が全世界の国際通貨となることを目指す」
さあ、本当に金はどうなるのか? 本を読んで考えてみると、金が上がるにしろ、暴落するにしろ、分ってきたのは裏づけのない世界の通貨
の頼りなさである。そこで、完全な金本位制でなくても、金の保有を裏づけにして、金融経済を動かそうという集団や国があることが、はっきり
してきた。
私は10万円金貨のことよりも、日本の円の今後のことが心配になってきた。何の裏づけもなく為替の相場に振り回されている。真剣に誰も
その根本的な対策を考えていない。日本は為替介入といって、ドルなどを買ってはいけない。今こそ円高を利用してタイミングを計り、価値
ある資源を確保すべき時である。
今、純金は買うべきか? いや、純金は私を妖しく誘惑する魔女にみえてきた。世界中の人々を引き付ける魅力に溢れかえっているが近づ
けば強い魔力ですべて吸い取られてしまいそうだ。しばらくは距離を置いて眺めていることにする。 (平成22年10月28日)
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:★:cosmic harmony
'‥' 宙 平