From Chuhei
 
 
75歳以上の自動車運転免許の更新には、講習予備検査(認知機能検査)
を受けねばならなくなっています。先日私はその検査を受けました。
 
   
 
 
 
      認知機能検査      
 
 
 3年前、自動車運転免許の更新をしてから、私は一度も運転した事がないのに早くも免許証更新の時期が近づき、公安委員会から「講習予備検査(認知機能検査)の受検及び高齢者講習手続きのお知らせ」と言うのが来た。

 

 実は《もう運転しないので免許証は返納しよう》と本気で思っていた。

 

 しかし、その「認知機能検査」の文字を見て私の気持ちが変わった。

 

《更新のたびに、何やかやと関門を増やして高齢者から費用を徴収し、運転をさせないようにするのだな? それなら判った! その「認知機能検査」というのを受けてやろうではないか!》

 

 723日、今回は指定の甲子園自動車教習所へ行った。高齢者講習5350円認知検査650円、上手く6000円で釣り銭がいらないようにできている。

 

 教室に75歳以上の6名が間隔をあけて座らされ認知検査が始まった。腕時計・携帯電話は、しまうように言われた。

 

@時間の見当識。3分

 

 今の年、月、日、時刻を紙に書くもの。

 

A手がかり再生。14

 

 4つの絵を書いた紙を4枚、順番に見せた後、紙を伏せ、次に、あいうえお・かきくけこ・さしすせそ、を30秒ずつで反対に書かせる。(例、おえういあ) その後、先ほど見せた4×4、16の絵がなんであったか? を覚えている限り3分間で書く。

 

 私の場合の絵は、機関銃・琴・親指・電子レンジ・孔雀・牛・鋏・メロン・鍋・椅子・玉蜀黍・ドレス・トラック・ドライバー・蝸牛・チュウリップ、であった。

 

 次の3分間でヒントが示され、再び思い出して書く。ヒントは、戦いの武器・楽器・身体の一部、といったようなものである。

 

 これが得点になるのだが、私の場合はこの中の14を時間内にようやく思い出した。

 

B時計描画の実施。  3分

 

 時計の文字盤を書かせて、時間を言って30秒で、針を書かせる。今回は8時20分だった。

 

《こんな、つまらない同じことを、全国の指定教習所で75歳以上に毎日毎日、やっているのか? みんな指定の日の時間に教習所にきちんと集まっている。それだけで充分ではないのか? これで後期高齢者の交通事故が減るとは思えない!》

 

 結局、記憶力・判断力に心配なし、と言う判定をもらったが、他に「少し低い」・「低い」と言う段階があり、低いとなると更新後、違反を起こした場合、医者の診断を必要としその結果、免許取り消しもありうるとのことであった。

 

 その後、高齢者講習でブレーキ反応テストやハンドルとブレーキ同時反応テスト。目の検査などがあったが、私にとっては全然運転していないので、運転実習が問題であった。

 

43年運転していないので、S字や車庫入れは無理ですわ」私は予防線を張った。

「3年前の更新のとき、どうしました」

「教習所を一周だけで、認めてもらいました」

「今は、厳しくするようになっていますねん」

 

 教官の手を借りながら、車庫入れをやった。急カーブは曲がったが、S字はなかった。

 

 警察は高齢者の事故が増えているとして、運転実習を厳しくするように、指定教習所に指示しているのは、事実であろう。それは仕方がない。しかし75歳で線を引いて机上の認知機能検査をしても、あまり意味がないと思う。認知障害はこんな簡単な検査で判定できるほど単純なものではないからである。

 

 高齢者の運転免許の更新に関門が増え、厳しくなればなるほど、運転することのない私の免許証へのこだわりが、益々高まっていくのは困ったものである。3年後の次の更新の時は80歳を超える。また同じことを言ったり、やったりしているだろう。

 

                                (09・7・31
検査時に提出された資料(クリックで見れます)
     ○4つの絵を書いた紙(記憶するもの)
     ○検査用紙

 

■■◆      宙 平
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