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Chuhei
西宮市用海町に新しくできたアシックスのデイサービス施設「トライアス」です。
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運動機能向上器具のスリングとその使用の例です。 | |
トライアス模擬体験
「スポーツ専用の靴などで有名なアシックスが、9月から新しくデイサービス施設『トライアス』 を開設し、介護事業に参入する。最初の場所は西宮を選び、今までの研究成果を活用し、運動機能 維持向上に特化した独自のプログラムを提供する予定。今後は全国展開を視野に入れる」
と、いう記事が少し前の新聞に出ていた。私は、西宮のどこで開設するのだろう? そして、あ の人気のあるスポーツブランドのアシックスがどんなことをやるのだろう、と、大変興味を感じて いた。
8月のはじめ、シルバー人材センターから「新規のデイサービス施設がオープンするのですが、 運動プログラムの模擬体験を受ける人を求めています。就業として行ってみませんか?」という、 電話があった。80歳を超えるとシルバー人材センターでも、仕事はほとんど無くなるが、これは 正に年齢に関係なく出来る仕事である。場所は西宮の酒蔵通りの用海町、発注企業はやはりあのア シックスであった。
9月1日、8時45分に集まって阪神西宮駅から車で送ってもらい、新しく出来上がったばかり の「トライアス」に行った。シルバーの会員、23人が集まっていた。半数以上が女性であった。 それに対してトレーナーも10人、女性が多かった。
6人ずつ、4組に別れ、グループと個人の確認用にそれぞれが赤、青、緑、黄、の腕輪を巻きつ けた。運動プログラムもまた4つの部門に分かれていた。
@スリング。天井から下がっている紐を手に巻きつけて、色々と体の曲げ伸ばしをする。
A6種のマシン。腕を伸ばす、足を鍛える、足を開く、体を回転させる、膝を鍛える、股関節を ほぐす。などの機器のうち、この日は一人3種を行う。
?体と頭を使うゲーム。声を出しながら、手と足を使っての簡単なゲーム。
C頭の体操。難読な漢字を読む、なぞなぞ、クロスワード、ことわざの穴埋めなどをする。
私は黄色の腕輪組に入った。この組だけは5人で男性は私1人だった。そして、組の中では勿論、 全員の中でも私が最高齢者であることは間違いなかった。次いで手首巻き付け式の血圧計で血圧の 計測があった。私は上174、下101、高かったので心配してトレーナーが「大丈夫ですか?」 と聞きに来た。「私は普通こんなには高くない。血圧計の方がおかしいと思う」と答えた。
私たち黄色組はCの頭の体操から始まった。
「次ぎの漢字をどう読むでしょう?」
1言質、2混沌、3困憊、4旋毛、5伝馬船、6末裔、こんなのが、他に3種類あった。また人 により、問題の漢字が違った。
「なぞなぞに挑戦です!」
1、みんなをだまそうとする鳥は何でしょう。 2、毎日食べると頭がよくなる野菜は何でしょう。 3、田んぼを走るのを嫌がる車の部品は何でしょう。 4、煮物を作っていたら、もくもくと生えてくる毛って何でしょう。 5、切っても切っても無くならないものは何でしょう。
「ことわざです。空いたところに文字を入れてください!」
1、下手な「 」も数打ちゃ当たる。 2、「 」の泣き所。 3、「 」盆に返らず。 4、目から「 」が落ちる。 5、類は「 」を呼ぶ。 6、安物買いの「 」失い。
この他にも簡単なクロスワードパズルがあった。試験ではないので、こんな問題を隣の女性とわ いわい言いながら解いてゆくのは楽しかった。正味の時間は30分ぐらいだった。
次いで、?の体と頭を使うゲームに入った。
トレーナーも一緒に輪になって座った。頭、肩、腰、膝、と、足踏みをしながら トレーナーが言 った体の場所を、声を出して素早く手で押さえる。次いで足踏みしながら、手を叩きながらしりとり する。野菜の種類や国名や、府県名などを一定の時間内にいくら言えるかを試す、というのもあった。 和気あいあいの雰囲気であった。
Aのマシンでは、私が最初に使ったのは足を前の台に乗せて、出来る限り左右に開くものである。 足を動かすと圧力がかかる。そして4分間に何回開いたかを自己申告する。私は24回であった。
次のマシンはハンドルを持って体を左右に回転させるもの、圧力が強いのでゆっくりと行う。私は 4分間19回であった。
その次は膝をかがめ、足裏で前の板を押して、足を伸ばして斜め上に体を上げてゆくマシンである。 これも4分で20回であった。どのマシンも自分のベースでやれば良いのであまり回数にこだわるこ とはない。
最後の@のスリングは吊り下がっている紐を片手ずつ手に巻きつけて手を伸ばし、体は前に曲げる、 後ろに反る、手を開いて横に曲げる、などを椅子に座って行ったあと、椅子をはずして、膝を左右交 互に前に出したり、引いたりをする。これも正味30分ぐらいだった。これが一番きつい運動と言わ れているが、決して無理をする必要はない。
全部のプログラムが終わり、アンケートを提出して12時過ぎに解散となった。「なにか門題があ れば、どしどし指摘してください」と言われていた。私の場合は計った血圧が高すぎたので、機器が 故障ではないかと言いたいところだが、そんな事を言うのが私だけであれば、これを解ってもらうの は難しいであろう。黄色の腕輪組の女性の方たちも「楽しかった!」「親切に声をかけてもらった」 「適当な運動が出来て良かった」という声が多かったようだ。
普通はお金を払って受けるこのようなプログラムを、模擬体験の仕事として、逆に配分金をもらっ て楽しく参加できたことは、有難いことと感謝しなければならない。
こうして、新しいデイサービス「トライアス」の第1号の施設は西宮でオープンした。今後は、要 支援1・2、要介護1から5段階の認定者のうちの、比較的軽度な介護の必要な高齢者を対象にした サービスを展開してゆくことになる。この分野は成長性が高いが、それだけに事業として参入するデ イサービス業者も多くなる。果たしてこれから、どれだけ運動機能向上を求める要支援・要介護者を 集め、全国に展開する人気事業として成功することができるのか?
私は毎日アシックスのトレーニング用の靴を履いて、夙川河畔のウオーキングを続けながら、その 活動と成果を見守って行きたい。
(平成26年9月10日)
******* 宙 平 ******** |